翔ぶが如く〈10〉 (文春文庫)ISBN:9784167663049
著者:司馬 遼太郎
価格:¥ 610
レーベル:文藝春秋
制作:文藝春秋
出版社:文藝春秋
メーカー:文藝春秋
売上ランキング:9884
評価:
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(2010/02/09 13:15現在 )
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薩人の悲劇最後の城山で、西郷隆盛、桐野利秋、別府晋介、辺見十郎太らが次々に逝く情景には泣かされました。勇猛なれど、戦略が皆無だった薩人の悲劇。でも、私は彼らがたまらなく好きでありました。
本当の意味での維新終了最後まで士族らしさを貫いた薩摩の人達の姿に感動しました。
この戦いを機に民が主役になりますが、 薩摩ではじまり薩摩で終わった観のある明治維新というものに 歴史の皮肉を感じました。 維新から西南戦争までの濃密な5年を描く超大作「死ぬなら故郷で」の一念で日向から豊後山中を突破して九州を縦断、鹿児島城山に籠った残兵は300人…。包囲する政府軍は7万人。死を恐れることを何よりも嫌った薩摩の将士たちは最後まで戦い、そして死んでいきました。こうして日本最後の内戦は終わり、本当の意味での近代化(武士の社会の終わり)がスタートすることになります。
全10巻を振り返って。 この超大作で描かれた時期というのは、征韓論をめぐる政争があった明治6年から西南戦争終結の明治10年まで(最後に少しだけ大久保の暗殺(明治11年)は書かれていますが)のたった5年間です。司馬はあとがきで「私は維新から明治10年までのことに昏かった。かつては西南戦争以後に明治国家の基礎が成立すると思っていたが全くの思い違いであった」と語っていますが、本書を読み終えて司馬と全く同じ感想をもちました。ややもすると明治維新で世の中がすべて変わって近代国家になった(確かにインパクトが大きいことではありますが)と考えがちな歴史教育のなかで、維新から西南戦争までの時代の雰囲気とか、国づくりのプロセス(すなわち大久保による「官」の強化とそれに対する士族の抵抗)とかを濃密に描いたこの作品は、評論小説としても非常に意味をもつ作品だと思います。 また、これも司馬自身が「主人公は西郷と言う虚像」というように、維新の立役者であった西郷の晩年の実態と周りが担ぐことにより増幅した虚像をうまく、しかも切なく描いている点も、とかく英雄視されがちな西郷(と対比して悪役視される大久保)の批評的な側面ももった作品ともいえます。 読みにくさという点では司馬本で文句なしのナンバー1だと思いますが、それだけに考えさせられることも多い作品。「(娯楽として)面白い」とはいいませんが、歴史に興味のある方には是非挑戦して欲しい作品です。 深く、濃い、西南戦争を描いた最高傑作 本作品を読もうと思ったきっかけは、「小学生が知らない歴史上人物、大久保利通ワースト1」の記事を読んだ時だ。「大久保利通を知らないなんて何事だ!!」と思ったが、よく考えてみると自分自身そこまで深くは知らないことに気づいた。「大久保利通が出ている小説を読もう」と思った時に一番最初に頭に浮かんだのが、本作品・「翔ぶが如く」だ。
期待していたほど大久保の人物像を深く知ることはできなかった。しかし、その代りこの時代の奥深さを再認識することができた。 「好きな時代」の統計を取ると、たぶん「戦国」時代がトップに来るだろう。しかし、「幕末」も「戦国」と同じくらい、いやそれ以上に面白い時代だといえる。もし「戦国時代が好き。他の時代には興味がない」という人はぜひ本作品を読んでほしい。いや、本作品でなくても司馬遼太郎の幕末作品を読んでほしい。 司馬遼太郎幕末史の集大成 いい意味でも悪い意味でも、司馬氏らしい書き方がされている。読む順番を間違えてここから入ると、どなたかが(あえて書かないけど)「菜の花忌」で発言されたように、「私、司馬さん嫌いだったんです」ということになりかねない。
どこから入るかはともかくとして(「燃えよ剣」かな、やっぱり)、司馬氏の書き方に慣れて、幕末ものの最後に読む作品としては傑作と言っていいと思う。頭が幕末している時なら、氏特有の「余談だが」がかえって面白い。村田新八の描き方など、かなりいいと思う。宮崎八郎の逸話もなかなかだし、最初は読者サービスのつもりで出したのであろう女性が途中でどこかへ消えちゃうあたりも、いかにも司馬さん。 これを読むには、一時的にでもいいから幕末オタクになるのが条件だ。かなり細かいところまでわかるようになると楽しく読めて、最後の1行に万感の思いが込められていることに気づく、そんな作品。司馬作品の中で、私の一番のお気に入りだ。 |
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